宇宙創造
私にとって大ブラフマンは胎(ヨーニ)である。
私はそこに胎子を置く。
それから万物の誕生が実現する。
「バガヴァッド・ギーター」(上村勝彦訳)より
ここでは、ヒンドゥー教における宇宙創造の仕組みを書物より抜き出しただけである。
解釈は100人いたら100通りあると思うんで、好きなように解釈して下さい。
黄金の胎児説・・・ここのタイトル、ヒラニヤガルバです。
太初において黄金の胎児(ヒラニヤガルバ)は顕現せり。
其の生まるるや万物の独一の主なりき。
彼は天地を安立させ、生気、力を与う。
彼は二足のもの、四足のものを支配する全世界の独立の王となれり。彼は神々の上に君臨する独一の神なりき。
「リグ・ヴェーダ 黄金の胎児の歌」より
黄金の卵説
宇宙は、かつて暗黒からなっていた。
まず水が生まれ、その中に種子が誕生した。
種子は太陽のように輝く黄金の卵となり、その中に一切の世界の祖父ブラフマンが誕生した。
ブラフマンは黄金の卵の中で一年を過ごした後、卵を二分し、殻の一方で天を、もう一方で地を造り、中間に中空、八方角、海を配置した
「マヌ法典」より
巨大原人説・・・カーストがリグ・ヴェーダの時からあることの証明ではないか?
巨大な原人の口はブラーフマナ(バラモン)となりき。
両腕はラージャニヤ(クシャトリヤ)となされたり。
彼の両腿はヴァイシャ(庶民階級)なり。
両足よりシュードラ(奴隷階級)生じたり。
頭より天界、両足より他界、耳より方処は転現せり。
「リグ・ヴェーダ 原人の歌」より
意欲創造説
太初において世界には何も存在せずして、暗黒に蔽われたりき。
暗黒の中で、自力で呼吸せしかの唯一物は、
タパス(熱の力)によりて出生せり。
思考力の第一の種子なる意欲は、最初にかの唯一物に現ぜり。
彼は最高点にありてこの世界を監視するものなり。
「リグ・ヴェーダ 宇宙開闢の歌」より
人類起源説
天地の初めには、
ただ人の形をした自我(アートマン)だけがあった。
彼は自分の体を二つに分けて、男と女を作った。
この二人が交わり、人類が始まった。
「ブリハッドアーラニヤカ・ウパニシャッド」より
連鎖創造説・・・同じ言葉でも意味が文献によって違うのが面白い
自我(主体としてのブラフマン)より
虚空(アーカーシャ)は生じたり。
虚空から風生じ、
風から火生じ、
火から水生じ、
水から地生じ、
地から蔬菜生じ、
蔬菜から食餌が生じ、
食餌から人間(プルシャ)が生じた。
「タイッティリーヤ・ウパニシャッド」より
最高神指令創造説
この世界の梵輪が転ずるのは、かの神の偉能によるなり。
最高神によりて常にこの万有は覆われる。
彼は知者なり、時の時なり。
全能にして全知なり。
彼の指令によりて天地展開の事業は進展す。
これ即ち地、水、火、風、空なり。
「シュヴェーターシュヴァタラ・ウパニシャッド」より
ブラフマー臍誕生説・・・比較的新しい文献。もちろんヴィシュヌ派
其の時、世界は水に覆われていた。
唯一者(ヴィシュヌ)は瞑想の至福に浸って、
四千ユガの間、水上で眠っていた。
彼の内部に有る微細な原理が、
再び創造を開始しようと欲し、
彼の臍から出た。
それは世界蓮(ローカ・パドマ)となり、
その中にヴィシュヌ自身も入り込んだ。
その蓮から創造神(ブラフマー・梵天)が自力で生まれた。
「バーガヴァタ・プラーナ」より